文章の重みと想み
個人の方が趣味で書かれているネット小説を読んでいる。
端的に言って、あまりにもセンスがあって、素晴らしすぎて、驚いている。
先日の記事でも書いたが、数年ぶりに読んでいる「夢小説」というやつである。「夢小説」というものは、ヒロインの名前を自分の名前に置き換えて読むことで、まるで自分のための物語を読んでるかのような気分を味わえる作品ジャンルである。
構造上、そのジャンルにはライトに読める作品も多い。多くは2次創作で、作者自身が原作やキャラクターを愛しているからこそ生まれるものである。
夢小説というからにはやはりほとんどが恋愛モノなのだが、今回読んだ夢小説は、恋愛要素が強いにもかかわらず、それ以外の描写もあまりにも丁寧に、かつ大量のボリュームで巧みに描かれており、キャラクターひとりひとりの設定や生き様、感情が丁寧に展開されていった。またそのことが恋愛部分の感動や細やかさをより引き立てることになり、正の相乗効果を生んでいた。
しかも、ストーリーがあまりにも深すぎて…まるで自己啓発本や心理学本の一番大切な部分がつめこまれているかのようだ。恐ろしい。
正直言って、これは素人が書けるレベルのものではない。。。と思った。
しかし、作者のプロフィールをみると、良くも悪くも一般の方だった。ツイッターを拝見しても、ごくごくフツーの女性だった。フォロワーは100人弱で、小説のアマチュアプロ、その世界の有名人、という感じも無ければ、本当にご自身の趣味で書いている感じが伝わってきた。。。
わたしは、なんだかすごく、恥ずかしくなった。
小説とブログを比べてはいけない。全く別物だ。わかってる。そもそもこんなことを考えることがおかしいのかもしれない。
でも、ツイッター内で多く見かけるフォロワー数千人のブロガーやアフィリエイターなどのなかで、あれほどの美しくて素晴らしい文章を書ける人が何人いるのだろうか。
あれほど、人の心を打てるものを生み出せる人は、何人いるだろうか。
そう、思ってしまった。
わかってる。ブログと小説は違う。ブログは情報だ。物語ではない。読む目的も求められるものも違う。
だけど…
同じ「モノを書く人間」として、考えずにはいられない。
わたしの書く文章は、いったい誰に何を届けたくて、書いているのかを。
わたしはきっと、それを見失った物書きには、なりたくないんだと。そう、思った。
お読みいただきありがとうございました!