7つの肩書きで自分らしく生きてこう★虹いろココット

やりたいこと、欲しいもの、ワクワクする夢。ぜんぶココットのお鍋に入れて。そっと火にかければ、きっと綺麗な虹色になる。

母の時計 何十年もの間、ありがとう。おつかれさま。

母が大事にしていた時計がなくなった。


ハタチの頃に母の祖父、つまり私の曽祖父にあたる人…に買ってもらったという腕時計だ。母はおじいちゃんっ子だったうえに、時計自体もかなり良いモノだったらしく、何十年もの間、バンドを交換しながら大切に使っていた。

 

その時計が、なくなってしまった。
しばらく前のことである。

 

おそらく外出時に落としてしまったようである。長年大切にしていただけに、母はずいぶん落ち込んでいたようだった。

 

 

「こんなに何十年も一緒だったのに、どうして…」という気持ちもあったようだ。確かに、いろんな事を一緒に乗り越えてきた時計だったんだろう。

 

 

それからしばらくして、先日のことだ。
父が、母のあたらしい腕時計を買いにいってくれたという。

 

以前、母が大切にしていたのと同じメーカーのもの。以前は黒でシンプルな時計だったが、今度はダイヤをあしらった上品なデザインだという。

 

もうすぐ受け取りで楽しみにしているらしい。

母は「一つ捨てると一つ新しいのが入ってくる…ってホントだね」とつぶやいていた。

 

確かに、モノとの出会いや別れにはそういった流れというか、縁の循環のようなものがある気がする。

また、それとは少し異なるかもしれないが、「モノが持ち主をいつも守ってくれてる」というのは、わたしがいつも感じることである。

 

母が曽祖父から受け取った時計は、なくなってしまう少し前に、何十年もかけてついに役目を果たしていたのかもしれない。

 

今までありがとう、またいつか帰ってきてね。
少し遅くなったが、そんな気持ちを、何十年も頑張ってきた母の時計に贈りたい。

 

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